「新版 あたらしい戦略の教科書」本を読みました。

著者 : 酒井穣
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日 : 2015-03-19
本書では、「目的地(目標)」と「現在地(現状)」をとらえ、両者のギャップを計り、現在地から目的地までのルートを「戦略」の比喩として使っています。

はじめはなんの情報ももたない状態だったルートも、目的地に近づくにつれてルートの精度も情報も増し、遠い未来にたどり着くはずだった目的地がだんだん近づいてきます。

ルートを戦略として考えると、目標に近づいていくことで、戦略の成熟度も増し、より確かで強固な戦略となっていきます。

このように考えると、戦略もはじめの頃から完璧に情報をあつめて分析し、確実に成功する戦略を練ることは不可能だしナンセンスであることがわかります。

実際に集まる情報で戦略に有効な情報は20%もあればいい方だそうです。

その20%の不確実な情報が、競合他社との差別化のタネになるわけです。

情報が不確実であるが故にボラティリティがあり、その情報で戦略の実行を進めると他社に先駆けることで差別化でき、ボラティリティの上端を狙えるのです。

一方、戦略の実行は実務であり、社内政治とは切っても切り離せない課題です。

日本独特の根回しも、必須です。

マネジメントのコミットメントを得ることも、抵抗勢力を個別に口説くのも、人間の価値観を大事にし人の話しを聞き夢を語り合うのも大事なことです。

実務では必ず人を巻き込む必要がありますので、人間の心理を観察し分析できないと、戦略の実行はできません。

この本ではそのような戦略の実行時に必要な実務についても多くのページが割かれており、大変参考になりました。

実務を行い、またこの本を振り返り、体得していきたいと思います。